Interview

【きょうこ・ジャスパー先生】生涯、人の癒しのお手伝いをする、人のインスピレーションになる生き方をすることを使命(=ダルマ)にしている。




「ヨガとはライフスタイルのチョイスで、自分を学ぶためのシステムです。」と語る、きょうこ・ジャスパー先生は、ヨガ講師であり、「Yoga Tune Up®」で唯一の日本人認定講師。かつてブロードウェイミュージカル女優や通訳として活躍し、体を動かすことが大好きで、それゆえにケガも絶えなかったそう。自身の経験からセルフケアメソッド「Yoga Tune Up®」に感銘し、心身回復を遂げ、現在その指導をしているきょうこ先生に13個の質問をしました。

1.「初めて参加してみたヨガのクラスは最悪—クラスも先生も好きになれませんでした。」とありましたが、どのような体験だったのでしょうか。

そのクラスや先生に問題があったわけでなく、これは私自身の問題です(笑)。当時私は妊娠中で、ヨガに対する知識が全くなく、当時ヨガクラス自体あまりなかったのでダンススタジオでのヨガクラスを受けました。ダンサーのストイックな環境に慣れていましたので妊娠中であることを先生にも告げず、ハンドスタンドをさせられとても気分が悪くなってしまって。残念なことにそれからまたヨガを再発見するまでに8年もかかってしまいました。もしちゃんと知識があれば、妊婦用のヨガに行く、とか先生とちゃんとコミュニケーションを取る、とかできたでしょうにね。

2.「2000年に加入したジムで参加したヨガのクラスに、今度は夢中になってしまいました。」とありますが、ここではどのような体験となったのでしょうか。

ヨガのブームの走りの頃で、そのジムでは非常にカリスマ性を持ったご夫婦が教えていたのです。お二人は当時マンハッタン居住のインドのヨギー、スワミブア(当時100歳くらい)のお弟子さん達でクラシックなハタヨガとヴィンヤーサヨガの要素が絶妙に融合されたクラスを展開、難しいポーズもたくさんありました。ダンサーだった私には最高に楽しく、チャレンジ感も強いクラスだったのです。私は夢中になって、彼らのクラスを取りまくりました。

3.きょうこさんは、「自分と見つめ合い自分から学ぶことで満ち足りた人生を送ることができる」とおっしゃっていますが、「自分から学ぶこと」とはどういうことでしょうか?

人間は自分の周りの人や環境は観察しますが自分の中を見つめる習慣がありません。怒り、悲しみ、不安感、自己憐憫感。そういった感情とともに様々な思考が生まれます。自分や周りを責め、後悔し、将来を懸念するといった思考です。これらの思考は必要でなく、私たちに害をもたらすことが多いのです。

自分を見つめる作業はこういった感情と思考にまず気がつくことから始まります。感情とともに座り、思考は自分の中で作り上げられた架空のものであるーということに気がつくことなんですね。ヨガと同じく、これには練習が必要です。でも長いこと続けると、自分の感情や思考に振り回されることがなくなり、難しい状況の中でもより平穏な生き方をすることができます。

4.「私は誰?ここで何をしているの?」子供の頃から常に持っていた感情・・・「自分が子供時代から持っていた命題の答えが、インドの古代の教えの中に全てあった」ことで、その感情をリリースできた、ということでしょうか。その、命題の答えとなった教えの一例を、お話しいただけませんか?

子供の時から自分の情熱のままに生き、やりたいことは全部やってきました。でもある日気がついたら女優業も通訳業もただ生存するための「仕事」になってしまっていたのです。そしてテロ事件のあとに今の生き方で良いのだろうか?と言う大きな疑問が生まれたのです。何か世の中に還元できるような事はできないだろうか?と。

インド哲学の勉強にどっぷり浸り、バガバットギーターとエニアグラムの人間学を勉強したときに、自分の人生はダルマ、つまり使命を果たすことに尽きると言うことを学びました。それからは自分も周りの環境も激変しましたね。辛い離婚も経験しましたが、ダルマを達成するために人生がどんどん整理されていっていることに気が付きました。

5.きょうこさんはご自身の体験から、肉体と精神をどのような関係と思っていますか?

昔からスピリチュアル系のトピックは大好きで独学で学んでいました。でもヨガチューナップ®と出会い、Gil Hedley博士の指導下で人体解剖を経験した後、科学的な見解からも肉体と精神はひとつである、と確信するようになりました。体全体を複雑にめぐる結合組織と筋膜こそ私たちの感情や霊性を伝達する器官そのものだからです。

6.ヨガチューナップ®のセルフケアシステムの特徴を教えてください。

骨格・筋肉矯正にヨガの動きをミックスさせたもので、3つのP(Painー痛み, Postureーポーズ, Performanceー動き)が主なコンセプトになっています。身体全体の筋肉の使用度数を部分ごとに理解し、それを均等なバランスに保つことを主な目的とし、下記の観点から構成されています。

ー理学療法の視点から構成されたエクササイズとありますが、ヨガとも違う動きですか?

もともとはヨガにインスパイアーされたシステムで、ポーズを取る前に体を準備します。又身体の盲点を探る査定としてポーズを使う考え方は、ヨガだけに限らず普段の生活の中の動き、又はどんなスポーツの分野でも応用できます。

解剖学から計算された身体マッサージというのは、セルフマッサージですか?

そうです。セルフマッサージを自分のセルフケアのプログラムに取り入れます。

ヨガのフローと呼吸法を学ぶそうですが、ポーズに特徴はありますか?

ヨガチューナップ®ではポーズを徹底的に分析、体のそれぞれの部位でどうやって動きが起こっているか理解し、それがどうしてどのように体に役立っているか?を理解します。つまり自分や生徒さんに必要な動き、身体の構造的、習慣的な問題や盲点を探り出します。

7.ヨガチューナップ®で、おなかにフォーカスしたクラスをおこなっていますが、おなかはどのような場所と捉えていらっしゃいますか? また、股関節にフォーカスしたクラスがありますが、股関節はどのような場所と捉えていらっしゃいますか?

現在世界的に医学会でもお腹が第二の脳がある、と言う考え方が注目されています。昨今わかったことですが腸内は億の神経回路、つまり体の中でも最も多くの神経が集まっている部位なのです。

スティーブン=ポージャス博士のポリヴェーガル理論では副交感神経の中に社会神経と言うものが存在する、と言っています。この社会神経こそが人間の癒しの機能に直接的に結びついているのです。非常に広大な分野ですが、アメリカではセラピーやヒーリングの業界に取り入れられ始めている理論です。ヨガチューナップ®でもこの分野の研究と実地適応を進めています。

股関節は、上半身と下半身をつなぐ交差点の役割をしています。人間が二足歩行をするようになってから重い体重を縦に支えるようになり、体の中でも最もパワフルな関節と言えるでしょう。股関節のバランスを取り、最大限の働きをしてもらうためには大腿は関節の真ん中にはまり、骨盤はあらゆる次元において対称でなければなりません。

8.健康でバランスが取れた、パワフルな体とは、どのような状態のことでしょうか?

人間の体は70%近くが水分です。体中の体液がつつがなく流れ、関節だけでなく内臓器官がすべて正常に機能するためには体中の結合組織、筋膜、内臓器官、骨格、血管、分泌型など全てにおいて滞りがないということが大事です。

人間の体は動くためにできています。1日中畑仕事をすることができる強靭な体を持って生まれている私たちは、動く必要があるのです。しかし同じ動きの繰り返しでなく様々な動き方によって体中のあらゆる筋肉を覚醒させる必要があります。

つまり滞りのない体を保ち、バランスの良い動きのパターンを習得したときに私たちの体は本来持っているパワフルな機能性を取り戻す、と言えるのです。

9.きょうこさんの「夢と使命」を、ぜひお聞かせください。

現在の使命はヨガチューナップ®の素晴らしさを日本で広め、皆さんが楽に暮らせるお手伝いをする事。

またヨガチューナップ®の養成を通して優れた指導者を育成していくこと。

長期の使命は生涯人の癒しのお手伝いをする、人のインスピレーションになる生き方をする。

夢は彼か娘と一緒に世界中を回る。いろいろな文化に触れる。生涯ものを作り続ける、学び続ける。

10.NYをベースにしているきょうこさんに、今の日本はどのように感じられますか? 現代の日本の人あるいは日本女性で気になること、伝えたいことはなんですか?

今の日本で気になるのはリスクを取らない若者があまりにも多すぎる部分。物事に興味が持てない人も多いみたいですね。これは親の責任もあると思います。子供に全てを与えないこと、甘やかさないこと。若者には苦労をさせることが1番の人生勉強です。

これからはどんどん女性が活躍できる世の中になっていきます。海外に出ることも1つ、国内で旗を上げることも1つ。すでに他の人がやってることをやらないで自分独自のアイデアを自由な発想で育てていってほしいと思います。年配の方も、「自分は歳だから。」といってあきらめない。中高年以降こそが人生本番、自分らしさを追求できる時。生涯生き生きと暮らすことで周りの人にインスピレーションを与えられたらいいですね。

最後に一番大切なメッセージは「愛を諦めないこと」。最近よく聞くのはめんどくさいから、とか人に合わせるのが嫌だ、とか。日本はおひとりさまカルチャーが流行っているようですが、それを擁護する社会に私は反対です。パートナーとの人間関係が人生で最高の勉強といえます。何歳であろうとも人を愛したり、「その人と一緒にいるために自分のエゴを犠牲にする」体験は人の成長にとって大切だし健康的なものといえます。本当の愛を見つけるのには努力が必要です。その努力をしないで諦めるのは本当にもったいない話です。この続きは次のツインソウルのところで。

11.生涯を共にするツインソウルとこれから出会いたいと思っている人に向けて、メッセージをお願いします。(ツインソウル=ソウルメイトの中でも同じ魂の片割れのこと)

まずツインソウルに絶対出会う!と決めるところから全ては始まると思います。そして自分の理想のパートナー像を一つ一つ細かくノートに書き出していきます。ヨガチューナップ®でサンカルパの練習というのがあって、これは言霊を使って自分の求めている現実を引き寄せる練習です。私のオススメは瞑想やヨガの練習の中に「言葉」と「思い」を織り込んでいくことです。これも練習の積み重ねで現実を引き寄せる時間はスピードアップします。

12.休日はどのように過ごすのがお好きですか?

ものを作るのが好きで、時間があるとドールハウスの家具、ポーチやカバンを作ったり、創作料理を作ってます。後は彼とジョギングやツーリングに行ったり、動物を保護する農場を訪ねたり、馬や馬車を見に行ったりと、自然や動物と共に過ごすのが好きです。

13.スタジオ・ヨギーとは以前よりご縁があると思います。ヤスシ先生や創業者の太夫佐和子となにか思い出はありますか?

ニューヨークのフリーペーパーでヨガの連載をしていた時にさわこさんからご連絡いただきました。当時確かスタジオ・ヨギーの原宿店舗ができた頃だったと思います。2004年ごろでしょうか。日本もまだヨガのブームの走りの頃だったと思います。

さわこさんは先見の明、ビジネスの才覚が昔からおありでしたね!でもご一緒させていただくと話が弾んで楽しく、時間を忘れて過ごさせていただいたものです。当時私はアヌサラヨガにハマっていました。その頃ご縁をいただいて日本にワークショップで行くことが出来るようになったのもさわこさんがきっかけを作ってくださったおかげだ、と今でも感謝しています。

ヤスシさんとはその昔ニューヨークでアヌサラヨガのクラスで時々お会いしました。あんなにかっこいいのにずっこけたジョークをカッとばしてよく笑わせていただきました。今日本に引き上げられたそうで、ニューヨークでお会いできずにとても残念ですが、日本でお会いできるのを楽しみにしています。



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好評につき

きょうこ・ジャスパー先生が2019年11月に再来日決定しました!

◆ミニコース
会場は、すべてyoggy institute lab(中目黒)


ワークショップ
会場は、すべてyoggy institute lab(中目黒)


Yoga Tune Up®で小顔スッキリ、鎖骨美人


Yoga Tune Up®で美脚・美尻

・11月10日(日)13:30~15:30(120分)







過去の開催▼

『Yoga Tune Up®肩関節の安定、解放、調和』
2019年6月19日(水)14:30~16:30

『Yoga Tune Up®でゆるりおなか美人』
2019年6月19日(水)19:00~21:00 

『Yoga Tune Up®プリッとお尻療法』
2019年6月22日(土)10:00~12:00 

『Yoga Tune Up®肩関節の解放と羽ばたき』
2019年6月22日(土)13:30~15:30 

『Yoga Tune Up®自分でできる骨盤療法』
2019年6月23日(日)10:00~12:00

『Yoga Tune Up®おなかゆるりヨガニードラ』
2019年6月23日(日)13:30~15:30 

<<来日情報ページでも随時お知らせいたします。

きょうこ・ジャスパー Kyoko Jasper

ヨガ講師。ヨガチューナップ®マスタートレーナー。

ミュージカル女優になる夢を抱いて渡米、半生をニューヨークで暮らす。夢を叶えて女優として、A級通訳として、又一児の母として暮らす中、2001年にテロ事件に遭遇。その時の心の葛藤が転機に繋がり、ヨガ指導者としての道を歩む。世界各地の博覧会やヨガフェスティバルで指導。日米で2007年から指導者養成を担当。 2015春に日本人唯一のヨガチューナップ®マスタートレーナーとしてヨガチューナップ®ジャパンを立ち上げ、自分の故障の経験に基づいて「皆が身体の痛みや滞りから解放され、最高のポテンシャルを発見できるよう」指導に励む。

現在本拠地ニューヨークでは、国際連合で指導に携わる。解剖学とアラインメントの深い知識、クリエイティブで意識的な動きに基き、まるで一人一人の為カスタマイズしたように的確な教えのスタイルには定評がある。