Interview

そこでの学びは今自分が生活する上で、仕事でも子育てにおいても、とても大きな支えになっている。【卒業生活躍リポート vol.19 宮本まりさん】



産後4ヶ月のときに、マタニティのトレーニングコースを受講

私は、マタニティ・産後リカバリーヨガ・インストラクター養成コース(MYC)を受講する前に、スタジオ・ヨギー横浜に通っていました。

転居先でヨガスタジオを探していて最初は体験のつもりで行ったのですが、初めてヨギーで受けたミサト先生のリラックスのクラスに感銘を受けました。以前にもホットヨガはしたことがあったのですが、なんとも言えない体の隅々まで空気が行き渡るような感覚が気持ちよくて。なんて心地いいのだろうと、今までにない感覚を味わったことを昨日のように思い出します。

そこからヨギーが好きになり、リラックスやニドラーを中心に通いました。当時は産科病棟勤務で、分娩も多く担当させていただいていて、毎日心身ともにフル回転でした。ヨギーのクラスを受けると心も体もすっきりする感じが好きで、時間を見つけてはクラスを受けに行っていました。



また、妊娠中にはマタニティのクラスも受けました。マタニティはサユリ先生のクラスに主に参加させていただいたのですが、妊娠週数に合わせた心地よいアーサナや、お腹の赤ちゃんを感じられるようにお話してくださるクラスが、とても好きでした。

そしてその後、MYCを産後4ヶ月のときに受講しました。赤ちゃんと離れて家をあけるなんて…とためらう気持ちもありましたが、毎日子どもと2人でこもりきりの中、外に出たい、学びたい、社会とつながりたいという気持ちが出てきて…。そんなときにMYCが開催されることを知り、助産師としての仕事にも生かしたいという思いもあり、申し込みました。家族にもあらかじめ、こういうものを受けたいと話し、通うことができるのか話し合いをして、協力してくれることになりました。

技術はもちろん、心理的な学びが大きかった

MYCの期間はとても素晴らしい時間を過ごすことができました。3ヶ月通いきれるのか不安はありましたが、思いきって受講してよかったです。

MYCを受講している時間は、家族に娘を見てもらいました。また、娘の体調不良等で行けなくなる心配もあったので、そのあたりの不安や心配を事前にスタッフの方に相談に乗っていただきました。クラス受講中はリカ先生も心優しい配慮をしてくださり、搾乳する時間もとらせていただきながら、受講しました。

家での勉強は、行き帰りの電車の中と、夜娘を寝かし付けてから、もしくは早朝の時間で行いました。家族や、スタッフの方、リカ先生、みなさんの協力と理解と、送り出してくれた娘に感謝しています。



担当してくださったリカ先生の講義は、解剖生理から内分泌に至るまで詳しくわかりやすくて、こんなに丁寧に学びを深めるのだなと驚きました。

そして何よりも、トレーニングを受けたことが自分の妊娠出産の振り返りとなったことが嬉しかったです。

妊娠出産は本当に命がけで、お母さんも無事で、かつ元気な赤ちゃんが産まれるということは奇跡だと思います。そうは思っていても、仕事柄なのか性格なのか、もっとああしたかった、こうしてればよかったなどと、なかなか自分の中のモヤモヤした気持ちを消化できずに産後過ごしていたので…。

トレーニングを受けたことでヨガの教えを学び、無事に産まれてきただけでいいじゃないかと心から思うようになりました。技術はもちろんですが、心理的な学びが大きかったように思います。

助産師の仕事は、女性の生涯におけるライフサポートをすること

助産師の仕事は、妊娠期の女性や出産のサポートにとどまらず、女性の生涯におけるライフサポートをすることです。妊娠中の胎児の状態や、赤ちゃんの成長を見守る以外にも、子どもさんには、性教育や、命の大切さを教える機会をつくってお話ししています。学生さんには、性教育に加え、望まない妊娠を防ぐこと、自分自身を大切に思うことを伝える授業などをすることもあります。また、赤ちゃんを望む方の心に寄り添い治療のサポートをするなど、働き方は多岐にわたります。

妊婦さん、産後のお母さん、更年期に悩む方、老年期を迎えた女性など、女性の生涯には心や体の繊細な変化が訪れます。助産師としてそこに寄りそうケアをするうえで、MYCで学んだことは大いにに勉強になりました。

特に、最後の日にチームで75分のクラスを作ったことが印象に残っています。私たちのチームのテーマは『変化を受け入れること』でした。今あるものを手離すことで、新しいものを受け入れることができる。新しいものを受け入れること、それもまた一つの強さだということを学びました。まさに助産師の仕事にも通じるものがあり、そこでの学びは今自分が生活する上で、仕事でも子育てにおいてでも、とても大きな支えになっています。



助産師になって述べ10年産科病棟で勤務させていただき、病院の助産師として1000件あまりのお産や授乳のサポートをさせていただきました。しかし、自分の妊娠出産を機に思うのは、一部分しか見えていなかったということ。退院後のお母さんと赤ちゃんがどのように生活しているのか、どのようなことに困っているのかを間近で見て感じたことで、今は助産師として、そして同じ子育て中の母として、地域で活動する、より身近な存在でありたいと思っています。


ある1日のスケジュール

5:00

起床。太陽礼拝。自分の身支度、朝食とお弁当作り。

6:00

夫と娘起床。娘の身支度。家族で朝食。

7:30

娘を保育園へ送る。

8:30

クリニック勤務。妊婦健診や母乳外来など。

13:00

昼食。移動。

14:00

母子訪問の仕事へ。産後間もないママと赤ちゃんのお宅へ伺う。

17:00

保育園お迎え後帰宅。夕食準備。

18:00

娘と夕食。

19:00

娘と入浴。2歳2ヶ月、おしゃべりが上手になってきた娘の話しを聞くのが楽しい。保育園お迎え後のワンオペ育児もここまでくればひと段落。

20:00

アーサナの練習をして絵本を読む。たいていヴィラバドラーアーサナ2で娘が真似してくる。娘に添い寝しつつ、呼吸法をしながら就寝。






おやこサロンを立ち上げて、地域に根ざした継続した関わりを目指している

2020年1月に、おやこサロンを立ち上げました。助産師として、一人の母として、自分の中のいろんな思いを集結すると、おやこサロンという形に行き着きました。

私自身、産後の不安定な時期に、地域の子育て支援や同じような子育て中のママ達に救われた経験があったからです。よく、助産師だからわかるでしょ?と言われるのですが、自分のこととなるとなかなかそうはいきませんね…。助産師としての知識や経験よりも、近所のママ達と過ごす時間で、同じような悩みを話したり、新しい発見を喜びあったりすることで助けられました。



また、助産師として母子訪問の仕事でご家庭に伺うと、産後間もないママ達の声を直に聞きます。赤ちゃんと二人、1日中家の中でどうしてよいかわからないで、困っているまま閉じこもりがちになっているママがたくさんいらっしゃいました。

そんなとき、この1度きりの訪問では心もとないなあ、もっと地域に根ざした継続した関わりがしたいと思うようになり、サロンを立ち上げました。

新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、今はまだおやこサロンの開催には至っていないのですが、ママ達がリラックスできる場所作りを考えています。ホッと一息つけるようなお茶会や、マタニティヨガ、産後ママのヨガ、アロマワークなどが主なサロン活動になります。

また、出張助産師として、ご自宅に伺って行う授乳サポートや母乳マッサージができるような準備もしています。

宮本まりさん プロフィール

助産師・看護師

夜勤や不規則な勤務の不調からメンテナンスをしたくてヨガを始めました。もともとバレエやフラ、タヒチアンダンスの経験があり体を動かすことが好きでした。 ヨガの好きなところは、自分自身を見つめられるところ、頑張ればできそうだけれど頑張る必要はないというところ、ありのままの自分でいられるところです。助産師として、妊婦さんやママ、赤ちゃんの安全を見守りながら、心地よく笑って過ごせるお手伝いをしていきたいです。

学び歴

2006年 看護師免許取得

2007年 助産師免許取得

2017年 公益社団法人日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター取得
    公益社団法人日本アロマ環境協会認定アロマブレンドデザイナー取得
    公益社団法人日本アロマ環境協会認定アロマハンドセラピスト取得

2018年 ヨギー・インスティテュート マタニティ・産後リカバリーヨガ・インストラクター養成コース修了

2020年 ハグマムベビーサロン 助産師によるおやこサロンopen