Interview

キッズヨガを知ると、子どもとの時間がさらに楽しくなる!



キッズヨガプログラム「ナマスティーン」を開発したララ・ベヌーシス先生へ、キッズヨガの特徴について聞いてみました。

1.ナマスティーンのキッズヨガの特徴は何ですか?

ナマスティーンは、ほかの子ども向けプログラムとは違って、とてもユニークなプログラムです。ほかの子ども向けプログラムは、大人向けのヨガを子ども用にアレンジするのに対して、ナマスティーンではそれとは全く反対のアプローチを取っているからです。

ナマスティーンでは、まず私たちは、子どもたちの基本的な運動スキルを基にしたアクティビティに焦点を置き、子どもの成長に合わせつつ、発達をサポートできるようヨガをプログラミングしていきます。子どもたちに大人向けのヨガを適用するのとは対照的で、ヨガがどうのように子どもたちの発育に役立つかに焦点を充てた、この分野では初めての画期的なプログラムです。

またもうひとつの特徴として、ナマスティーンのプログラムは、私自身が子ども時代を通じてヨガを実践きたという経験に基づいて、開発されているという点があります。



そして、ナマスティーンのトレーニングは本当に楽しい!ということをお伝えしたいですね。トレーニング受講者は、自分の幼い時代に戻る旅のようで、喜びの涙を浮かべる人も多々います。子どもたちをサポートできる大人でいられることは大変素晴らしいことです。

そして、ヨガ講師として子どもたちの幼少時代に関わり、生徒たちと特別な関係を持てることを大切にしています。多くの生徒とは彼らが4歳の頃に出会い、今や大学生になっています。彼らが地元に帰ってくると、一緒にコーヒーを飲みに行ったりします。子どもたちのヨガ講師であるというのは、彼らの人生の中でもとても特別な役割を担っていることになります。

2.ナマスティーンを創設しようと思ったきっかけは何ですか?


私は14歳の時、友だちにヨガを教え始め、19歳でインストラクターの資格を取り、すぐに大人と子どもたちにヨガを教えるようになりました。大学卒業後、ニューヨーク市立の公立学校の教師として働き始め、ナマスティーンの初めてのカリキュラムを開発しました。

というのも学校の現場で、他の教師たちも再現できるようなヨガクラスのカリキュラムが必要だと感じたからです。児童援助協会で、ヨガインストラクターの養成トレーニングを開始したのがナマスティーンの始まりです。

3.3歳から7歳の時期の子どもの特徴は何でしょう? 脳の発達段階など、教えてください。

このような重要な質問をありがとうございます。この答えに対する詳しい内容はナマスティーンのトレーニングでお伝えします。脳の認知発達だけでなく、神経系の発達と子どもの能力がどのように関連しているかということを学びます。

私は応用生理学を学ぶため コロンビア大学の大学院で再び学んでいます。そこで、子どもの発達、運動学習の優れた専門家であるリチャード・マギル博士と一緒に働けるという幸運に恵まれ、彼の元で学ぶことにより、このトレーニングにさらに新しいコンテンツを加えています。



4.3歳から7歳の時期の子どもとのコミュニケーションで大切なことは何でしょう?


先の(3番目の)質問が示唆するように、脳の発達は、幼児期の間に加速されます。それはとても急速な学習の時間で、目覚ましい身体的な成長(子どもたちは毎日新しい身体を操縦しています)だけでなく、彼らを取り巻く世界における膨大な量の情報も処理しているのです。この年齢層の子どもたちに向き合う際には、言語習得、社会的能力や興味、運動能力など、彼らのあらゆる範囲における発達を考慮すべきだと考えています。

5.子どもたちのポテンシャルを生かす(潜在能力を引き出す)、とは、どういうことでしょう?

科学的な文献によると、子どもの発達には環境の力が必要だと述べられています。大多数の子どもたちが、継続性を保ちながら典型的な発達段階を進んでいく中で、ナマスティーンでは、子どもたちの、身体、精神、感情、社会的に学んでいく能力をサポートするような、優れた学習環境、カリキュラムを提供します。

いまのアメリカや日本の子どもたちには、かつて私たちが享受したような身体的な学習のアドバンテージがなく、これが公衆衛生の危機をもたらしています。学業成績へのプレッシャーやコンピューター、テレビなどによって、子どもたちの座っている時間は近年増加傾向にあり、この傾向が、子どもたちに長期的な健康に有害な影響を及ぼしています。それと同時に、この危険性を理解している専門家たちの間で、行動を起こすきっかけとなっています。

子どもの時に十分に運動などの身体的な活動をしていないと、重要な発達の機会を失うこととなり、成人期になって長期的な健康問題に直面してしまうのです。
 


6.キッズヨガを学ぶことで、大人はどんなことを学べるでしょう?


私たちは皆、子ども時代を経験しましたが、このプログラムでは子どもたちがどのように発達し、世の中を体験しているのか、理論、技能、知識を交えて大人向けに提供します。ナマスティーンプログラムは、既存の理論をくつがえす力を持っています。大人向けのヨガを子どもに当てはめるというやり方ではなく、子どもたちのそれぞれの発達段階を尊重し、子どもたちの経験を向上させるために、ヨガを取り入れるからです。

他のキッズヨガプログラムを受講したことがあるヨガ講師は、特にこのトレーニングの恩恵を受け、それまでのクラスを10倍も向上することができるしょう。

ヨガを子どもたちに応用していく上で、ナマスティーンの概念は柔軟性があるため、病院、教室、コミュニティプログラムなどで使うことができます。また、このプログラムを受けた講師は、幅広い層の子どもたちを教えることができるようになるでしょう。




 ヨガインストラクター リカ先生よりメッセージ





ララ先生のキッズヨガトレーニングコースでは、受講生がみな「リカちゃん」など「ちゃん」や「くん」をつけて名前で呼び合い、純粋に無邪気に遊ぶようにヨガを実践します。大人であることをうっかり忘れて、本当に楽しい時間でした。子どもってこれほどクリエイティブな生き物だったのか!と改めて驚いたものです。

何より私にとって大きな収穫だったのは、日常に戻っても、「ペンギンになって北極のお風呂に入りに行こう!」など、子ども目線で自分の子育てにも役立てることができたことです。子どもと接する時間が楽しく豊かなものになる、そんなトレーニングでした。子どもの身体の発達段階、精神的な成長過程を学ぶことで、どんどん成長していく我が子が愛おしく、「今」が尊いものだと感じずにはいられませんでした。

ララ先生のキッズヨガクラスは、ヨガの哲学的思想を背景に、口頭/言語的、論理的/空間的、身体的/運動感覚的、音楽的/リズム的、人間関係的、内省的(ガードナーの7つの知能)の7つのレベルで知能を育むよう構成されます。

キッズヨガを通して、子どもとの関りを豊かなものにしたい方に、ぜひおすすめしたいです。


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ララ・ベヌーシス先生が2018年7~8月に来日します。
<<来日情報ページでも随時お知らせいたします。※各種ワークショップあります。

キッズヨガ・ティーチャートレーニングコース

・7/14~16 名古屋グローバルゲートスタジオ 3日間集中

~がん患者、友人、家族のためのヨガを学ぶ~
サイエンス・オブ・ヨガ~がん患者のためのヨガ~3日間コース
・7/20~22 OSAKAスタジオ
・8/6~8 新宿WESTスタジオ

医療的な見地からヨガを学ぶ
Body Map~ヨガの医療的アプローチを学ぶ~
・7/28~30 新宿WEST
・8/10~12 福岡スタジオ

ララ・ベヌーシス Lara Benusis
キッズ向けヨガプログラム[ナマスティーン(namasteens)] の創始者で、ニューヨーク在住。1996年ヨガ講師として認定を受け、ヨガアライアンスの最高レベル、E-RYT 500、RCYTの資格を2001年に取得。ピラティス、パーソナルトレーニング、人間工学に基づいたアセスメントの資格を持つ。国際ヨガセラピスト協会に所属し、がん患者のためのエクササイズ スペシャリストでもある。ニューヨーク市の教育委員会、チルドレン・エイド・ソサエティ、人気スタジオ、ピュアヨガ、エクイノックスなどのカリキュラム、ヨガリサーチのプロトコールなどを制作。ヨガ指導を専業とする前は、プロフェッショナルダンサーでありアイススケーターとしても活躍。20,000時間以上のヨガ指導歴があり、健康に関する講義を世界各国で行う。ルルレモンのインターナショナルアンバサダーを3度務め、現在はニューヨーク市で権威あるメモリアル スローン ケタリング癌センターでマネージャーを務める。