vol.8
現在、インストラクターとして活躍する“先輩”のみなさんは、これまでどんな勉強をしてきたのでしょう。専門分野や強みの見つけ方、学びの深め方、これからのあなたの学びの道しるべとなりますように、【学びの履歴書】をご紹介します。
多種多様の指導をするなかで、覚えた違和感
以前は、スポーツクラブで社員インストラクターとして働いていました。私が就職をした頃のスポーツクラブ業界は、クラブ内で何でも担当できる社員をクラブ内で数名作るということをし始めた時期で、私もその先駆けの一人でした。
水泳部だった経験を活かして、スイム部門に配属されましたが、スイミングスクールの指導以外にもエアロビクス、トレーニングマシンのトレーナー、フロントの受付業務、ヨガやピラティスのクラスも担当できるようにと、社内教育がありました。
時間に追われその日のレッスンや業務をただこなしていく毎日でした。その頃から多種多様の指導をしていても、知識が少なく専門性に欠ける自分に違和感を覚えていました。
学生時代は、水泳部。毎年真っ黒に日焼けしていた。
一年中泳いでばかりで、まとまった休みは年末年始の数日でした。先輩後輩の上下関係が厳しい部活生活でした。推薦枠で入学したので練習は当然厳しかったのですが、私は納得がいく記録が出せない自分と、同じ推薦組の仲間とも比べてしまい、泳ぐことが楽しいと思えませんでした。
ビューティ・ペルヴィスで学んだ「みんなそれぞれ違っていて当たり前」と分かっていたら私なりにもっと部活生活を楽しめたのかもしれません。
朝練をして授業を受け、放課後は部活という毎日でした。合宿になると一日10キロ以上泳いでいました。5月くらいから室外プールで泳ぐので、毎年真っ黒に日焼けをして水着の跡はくっきり。ゴークルの周りは白く逆パンダ状態でした。
今でも日焼けをすることに抵抗がなく、日傘が苦手です。紫外線対策はそこそこなので、今年の夏もスタッフさんからまた焼けましたか?とよく聞かれました。
20代でビューティ・ペルヴィスのよさに気づいた訳は…
スポーツクラブで働いていたころ、プライベートで、スタジオ・ヨギーに通ってヨガのクラスを中心に受けていました。そのときに、「ビューティ・ペルヴィス」に出会いました。このときの出会いがあったことが、今の私につながっています。
初めてビューティ・ペルヴィスを受けた時、今から思うとまさに直観で「今の自分に必要なもの」と強く感じました。それは心も体にとってもです。その後、ビューティ・ペルヴィスに惹かれていった理由が大きく2つあります。
一つは、終わった後の「なにか気持ちがいいな」という体感でした。数年後に気が付いたことですが、学生時代からトレーニングを重ね、力を入れることは得意でも、力を抜くことができなかった私の身体が、ビューティ・ペルヴィスのメソッドを通じて、無意識に脱力ができていたことがわかったのです。
でも当時はそのはっきり言葉にできない「なにか」だったからこそ、飽き性の私が引き込まれたのだと思います。今でも「なにか」があります。いつでも新たな発見があります。10年以上続けていても他の先生のクラスを受講させていただく時は、いつも新鮮な気持ちなのです。まさにペルヴィスマジックです。
もう一つは、当時クラスを担当していたアイ先生の立ち振る舞いの美しさや雰囲気に魅了され、こんな素敵な女性になりたいと憧れを持ちました。
毎日のプール指導で喉を潰し、一生ハスキーボイスのままと言われた
様々なトレーニングを受けてきましたので、記憶があいまいですが、初めに受けたのは、アクアビクスの講習会だったと思います。水泳の指導以外にもアクアビクスや水中ウォーキングを学び、指導のバリエーションを増やす為でした。
今でこそ、時々生徒さんから「先生の声は、聞いていて心地よいです」と嬉しいお言葉を頂きますが、当時は毎日のプール指導で喉を潰してしまい、今では考えられないくらいのハスキーボイスでした。咽喉科のお医者様からこの声は治らないよと言われ、ショックで診察室で泣いてしまったのも良い思い出です。
自分の内面、体ととことん向き合った、二度目のビューティ・ペルヴィスプロフェッショナルコース
もっとも影響を受けたトレーニングは、再受講したビューティ・ペルヴィスのトレーニングコース(プロフェッショナルコース)です。最初に受講してから既に5年が経っていました。
就職し、一旦ビューティ・ペルヴィスから離れましたが、いつも私の中で特別な存在でした。生徒としてヨギーに通いながら諦めきれない思いがあったので、再受講を決めた時、「認定を取得しフリーランスのインストラクターになりたい。」「骨盤のプロフェショナルとしてやっていきたい。」という強い思いがありました。
この仕事1本で生計をたてたいと思ったのもこの頃です。その為にはなにが大切なのか、受講をしながら同時に考えていました。
同期のメンバーの中には、会社員の営業職の第一線で活躍しながらトレーニングコースを受講している仲間もいたので、違った目線でフィードバックがもらえると、そういう考え方もあるのだと学ぶことも多々ありました。同期の仲間とは今も仲良くしてもらっていて時々お茶をしながら近況報告をしています。
このトレーニングの間、自分の内面、体ととことん向き合いました。そこで身体を緩める大切さを学び、「中庸」を覚え、「強く・美しく・しなやかに」というビューティ・ペルヴィスの3原則を日常生活を送る中で意識し、言葉の意味を考えるようになりました。それまでは、思考に偏りがあり、白黒をはっきり付けたい性格だったと思います。そしてなによりせっかちでした。
様々なトレーニングコースの中には、修了と同時に認定がもらえる資格もあると聞きます。私は厳しい基準があるヨギー・インスティテュートだからこそ、トレーニングコース修了から認定取得まで6年の歳月と共に成長をさせてもらうことができました。経験をして学ぶタイプの私にとって、再受講は大切なプロセスだったと思います。
今ではスタジオ・ヨギーでレッスンをさせていただいていますが、ビューティ・ペルヴィスの指導者になるまでに実はこんなに時間がかかっていました。でも諦めないで学ぶことで道は開けることを知っていただけたら幸いです。
研修が始まる時間までわくわくしながら過ごした、最初のトレーニング
初めて受けたビューティ・ペルヴィスのトレーニングコースもとても印象に残っています。実は私は2期生なのです。その頃はまだ地方の開催はなく六本木のスタジオまで通いました。印象的だったのは、当時はトレーニングの内容というよりそれ以外のことです。
交通費を節約し、夜行バスを使って通っていたので、岐阜を深夜に出発し、早朝に東京駅に到着、時間まで喫茶店でテキストを見ながら研修が始まる時間までわくわくしながら過ごしました。今では体力を心配して新幹線を使ってしまいそうですが、当時の行動力はやはり若かったみたいです。
スタジオは地下にあり、らせん階段や、1階にはテラスがあったりと素敵なスタジオだったことを思い出します。田舎育ちの私にとってはヨギーそのものが特別な存在でした。毎回緊張をしながらもその場所に通い学べることが楽しくて。
当時20代の私がおそらく受講生の中で最年少だったと思います。指導歴も浅く、考え方も未熟でその時に感じたのは、まだ私はペルヴィスの指導者になれる器ではないということでした。その日から、ペルヴィスの指導者になる為に私に足りないものはと考えるようになりました。修了日に認定に向けての第一歩が始まった感じです。
自分の身体が変わる経験を経て、人に伝える指導力に繋がっていく
トレーニングでお薦めなのは、ビューティ・ペルヴィス ベーシックコース(BBC)です。ベーシックコースでは、自分自身を知ることから始めます。歳を重ねるとなかなか向き合う機会は少ないと思います。
客観的に見ることで自分でも知らなかった一面に気づきます。
ビューティ・ペルヴィスでは、初日と最終日に全身の採寸、撮影をします。きっと終了日に自分の変化に驚くと思います。自分の身体が変わる経験を経て、人に伝える指導力に繋がっていくと思います。初日の採寸の時に着ていたウエアは今でも大切にとっています。
ビューティ・ペルヴィスでいつでも「準備ができている身体」になっていた
今後、極めていきたいのはトライアスロン、興味があるものはクライミングです。
ここ数年は自分に欠けている所を探し、それを補おうとしていました。そのため習い事は茶道、着付け、書道など静を意識したものを深めてきました。これからは、さらに私らしく思いっきり好奇心が向くままにアクティブなことにも挑戦していきたいです。トライアスロンははまり役で、泳ぐ・自転車・走るはどれも好きなのでこれからが楽しみです。
昨年こんな経験をしました。オープンウォーターの大会に出場し、実はまともに練習をしていなかったのに、とても心地よくすいすい気持ちよく泳げたのです。10代の時よりもです。
「ビューティ・ペルヴィスは土台作りのメソッドです」とクラスで説明しますがその通りと実感しました。ビューティ・ペルヴィスしかしていなかったので、整った状態が続いているのか、まさにいつでも「準備ができている身体」になっていました。
最近はボルタリングにチャレンジしました。力だけでは上に登れなくて・・・。普段私たちがクラスで話している機能的な体の使い方が重要で夢中になりました。頭では分かっていてもなかなか体が動かないもどかしさも楽しく新しい体験です。翌日は筋肉痛でした!
ビューティ・ペルヴィスだけ受けている方には、ぜひヨガやピラティスにもチャレンジして欲しいと思います。もちろんその他のスポーツも。
木曜日の担当している時間帯は同時にカオリン先生がピラティスをしているのですが、生徒さんにはぜひピラティスも受けてみて下さいねと声をかけています。なかなか同時にレッスンをしている別の先生のクラスは受けにくいと思うのです。毎週受講しているとなおさらですね。(笑)
これからは「準備ができている身体」で動く気持ちよさも皆さんに伝えたいです。
名前 | |
エミ | |
職業 | |
ビューティ・ペルヴィス インストラクター | |
学びの履歴書 | |
2007年 | ビューティ・ペルヴィス トレーニングコース(現在のビューティ・ペルヴィス指導者養成コース) |
2012年 | ビューティ・ペルヴィス ベーシックコース(BBC) 再受講 ビューティ・ペルヴィス プロフェショナルコース(BPC) 再受講 ビューティ・ペルヴィス フローコース |
2013年 | ビューティ・ペルヴィス 認定取得 |
2014年 | ビューティ・ペルヴィス マタニティーエキスパートコース |
学生時代は水泳部に所属し、体を鍛えることが中心の生活を送る。20代前半に「ビューティ・ペルヴィス」に出会い、クラスを受講する中で、自分の体は締める(力を入れる)ことができても、緩めることができない偏りに衝撃を受け、メソッドの必要性を痛感し通い始める。ビューティ・ペルヴィスを通して物事の考え方も豊かになっていることに気づく。伝えたいことは、「1人1人が、あなたらしい美しさと寄り添えるように」。内面から引き立つ美しさを大切に、受講される方々がじっくり体と向き合い体を整える心地よさを感じてもらえるような指導を心がけています。 |