Interview

言語聴覚士としてフルタイムで働きながら、ヨガインストラクターとして活躍。【卒業生活躍リポート vol.16 柴田綾さん】


なぜヨガが心地よく感じるのかを知りたくて受講を決意

元々、運動不足解消のために名古屋のスタジオ・ヨギーに言語聴覚士の専門学校に通っている時に通い始めました。ロハスメンバーになり定期的に通いヨガの心地よさを感じていましたが、言語聴覚士として働くことが忙しくなり、しばらくはヨガをお休みしていました。

ある時、ヨギーのウェブサイトで、名古屋でヤスシ先生のベーシック・トレーニングコース(BTC)のトレーニングがあると知りました。当時ヤスシ先生にはお会いしたことがありませんでしたが、ヨギーのエグゼクティブディレクターの先生から直接教わることへの魅力と、なぜヨガが心地よく感じるのかを知りたくて受講を決めました。

それからは流れるように解剖学を学ぶヨガアナトミー・インテンシヴコース(YAC)、瞑想を学ぶメディテーション・インテンシヴコース(MIC)を受講し、先生にはなろうとは思っていませんでしたが、ティーチャー・トレーニングコース(TTC)まで受講することになりました。元々ヨギーに通っていてその雰囲気の良さを感じていたので、ヨギー以外のところでのトレーニングは受講を考えてはいなかったです。





自分と向き合うヨガの時間は、とても大切

ヨガの好きなところは、終わったあとに心地よく呼吸が流れ、自分が満たされていることに気がつくことです。そんな「ヨガが楽しい、好きだ」という思いは、トレーニングを受けるたびに増していきました。一方で、なかなか深く長い世界に足を踏み入れてしまったような気にもなりました。トレーニングごとにたくさんの課題を行うことは、全て自分と向き合う作業だったと思います。

言語聴覚士として医療介護の現場で働くことは常に外のこと(患者さんのこと)をより細かく丁寧に、そして集中して向き合うことが必要になります。それ故に外へ外へと自分の意識が向くため、内のこと(自分のこと)に目を向けることがおろそかになっていたことに気がつきました。

ヨガは自分の今のことに目を向けることであり、その時間は自分にとってとても大切な時間だということを教えてもらいました。それによって、自分の身体と心のバランスを整えることができました。そして、ヨガを学び、自分の今に目を向けることで、過去や未来を思い悩むのではなく、今を生きているのだから、今できることをやろうと思えるようになりました。

仕事をするなら人のために何か役に立つことがいい

言語聴覚士の仕事を知ったのは本当に偶然でした。大学を卒業し、一般企業に勤めていた時のことです。販売営業をしながらこのまま続けていけるかなと漠然とした不安があり、心と身体のバランスを崩していたような時に、たまたま読んだ新聞に「言語聴覚士のお仕事紹介]というコラム欄ほどの小さな記事が目につきました。その仕事内容に魅力を感じ、仕事をするなら人のために何か役に立つことがいいと思い、専門学校に通うことに決めました。

言語聴覚士はことばによるコミュニケーションや嚥下(飲み込み)に問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活や社会復帰ができるよう支援するリハビリテーションの専門職のひとつです。最近亡くなられた西城秀樹さんも脳出血による言語障害によりリハビリをされていました。

ヨガは、言語聴覚士の仕事にとても役立っていると思います。ヨガにおけるアーサナの原則として呼吸と気づき、基盤と安定、調整とバランス、拡張と教わりました。実際の患者さんへのリハビリ場面においては、発声練習を行うことがありますが、ヨガを学ぶ前に比べ、より呼吸に意識を向けること、足元の安定を作ることや胸郭を大きく広げることを十分に行ってから発声練習に入るようにしています。



また医療現場における言語聴覚士の仕事は、時に死に近い患者さんと向き合うこともあります。それは辛いことであり、心が大きく揺さぶられることでもあります。しかし、自分が「今」できることを行い、訪れた死を受け入れることができるのも、仕事を続けていく上でヨガが大いに助けとなっていると思います。


ヨガを通じて尊敬すべき先生に出会えた

ヨガを通じて尊敬すべき先生に出会えました。ヤスシ先生、マレ先生、マサ先生はいつも、いまでも私にパワーをくれ、受け入れてくれて、さらに背中を押してくれる存在です。

ヤスシ先生はいつも私のその時のステージに合わせたアドバイスをくださいます。ヨギーで教え始めたころ「緊張してしまうんです」と話したら「僕も緊張するよ」と、続けて「緊張しないってことはこの仕事を軽く考えてるってことだと思う」と。そうかと納得と覚悟ができたように思いました。



マレ先生は名古屋ヨギーの母として優しく、時に厳しく、見守ってくれている存在です。ヨギーのオーディションの合格をいただいたときに、「落ち着いた沈黙に精神性が顕れていた」と言っていただいて、ちゃんと見ていてくださっていることが本当に嬉しかったです。

マサ先生は「自分を信じるというより、ヨガを信じればいい」という言葉をもらいました。今でも弱気になったり、不安になった時には毎回この言葉を思い出しています。楽しんで!自分らしく!とマサ先生の笑顔にパワーをもらっています。


医療現場でヨガを活かしていきたい

スタディコースとインストラクター向けのスキルアップスタディコースで2年連続、ニューヨークに行きました。スキルアップスタディコースで、ニューヨークで医療現場でのヨガを実践研究されているララ先生の案内でコロンビア大学と病院を見学できたのはとてもいい経験になりました。


日本でも医療現場でのヨガが広がってきており、自分のこれまでの経験も活かして、医療現場でヨガができたらと考えています。そして患者さんへのヨガだけでなく、医療従事者へのヨガや介護をする側へのヨガもできたらなと思います。それは医療従事者や介護をする側が心身ともに元気でないと行き届いたケアを行うことは難しいと思うからです。私自身、ヨガを行うことが日々の仕事のエネルギーになっていると思っています。

人生を歩んでいく中で、現代で生きることは情報も刺激も多く自分の心が揺さぶられることも多く起こると思います。その中で自分の心が落ち着いていることはとても重要なことだと思います。心は常にコロコロと変わるものだけれど、その心の波を穏やかにすることができるとヨガが教えてくれました。私がこれまで尊敬すべき先生方から学んだことを少しでもヨガを通じて伝えられたら嬉しいと思います。




ある1日のスケジュール


6:30

起床
プラクティスを少し。少しずつ早く起きるようにしています。

7:40

出勤

8:45

仕事開始

17:45

仕事終了

20:30

ヨギーでリラックスのクラス

22:30

帰宅
メディテーション
お風呂
明日の準備

24:00

就寝


いまは言語聴覚士の仕事を平日週5日働いているので、その後にヨギーでクラスを教えています。しっかりとした自分のプラクティスの時間がとれていませんが、有給を使ってヨギーのクラスを受けるようにしています。フルタイムの言語聴覚士の仕事をしていますが、今後はそのバランスを変えて、インストラクター業へとシフトしていくことも考えています。


柴田綾さん プロフィール

言語聴覚士/ヨガインストラクター。インストラクター名はアヤ。

フルタイムで言語聴覚士として働きながら、スタジオ・ヨギー名古屋でヨガを教えている。

言語聴覚士としてリハビリの仕事をする中で、いつも外へ外へと自分以外のことに気が向きがちだった自分の身体と心の内側を見つめ、バランスを整えてくれたのがヨガでした。自分の人生に大きな広がりを与えてくれたヨガを、より多くの方に届けられるよう、どんな方にも取り組みやすいクラスを目指しています。

学び歴

2014年 ヨギー・インスティテュート ベーシック・トレーニングコース(BTC)修了
2014年 ヨギー・インスティテュート ヨガアナトミー・インテンシヴコース(YAC)修了
2015年 ヨギー・インスティテュート メディテーション・インテンシヴコース(MIC)修了 
2015年 ヨギー・インスティテュート ティーチャー・トレーニングコース(TTC) 修了
2016年 ヨギー・インスティテュート ヨガスタディコース~New York~(YSCN)
2017年 ヨギー・インスティテュート スキルアップスタディコース・ニューヨーク(SSCN)
2018年 ヨギー・インスティテュート セラピューティック・トレーニングコース(TH)修了
保持資格:YIC認定者