Interview

【フランキー・クランシー先生】高校生ダンサーから、シニアまで。ピラティスは、あらゆる人の可能性を広げる。




エンジニアとして企業に勤めていたのが、子育てを機にフィットネスインストラクターに転身し、やがてピラティスインストラクターになったフランキー・クランシー先生。ONもOFFも体を動かすことが大好き。ポールスターピラティスとパワーピラティスの両方を学び、高校生からシニアまで、幅広い層にピラティスを教えているフランキー先生に、ピラティスの魅力や、普段の活動について、10個の質問を聞いてみました。

1.ピラティスインストラクターの前は、フィットネスインストラクターをしていたそうですね。ステップからカーディオキックボクシング(ステップ、ウエイトコンディショニング、TRX、キックボクシング)まで様々なクラスを指導していたそうですが、元々体を動かすのが好きでしたか? 特に面白いと思っていたフィットネスプログラムは何ですか?

大学時代にフィットネスのために走ることを始め、80年代にとても流行したグループエアロビクスのクラスに夢中になりました。私が好きだったクラスはステップエアロビクスです。夫と私は、仕事帰りにエアロビクラスで友達に会い、こうした交友の広がりが、エクササイズをさらに楽しいものにしました。

2.お嬢さんを養子に迎えるまでは、ソフトウェアエンジニアのお仕事をしていたそうですが、仕事を変えた理由は何ですか?

モトローラのソフトウェアエンジニアとして、アメリカ西部にある様々な企業をサポートするために多くの出張をこなさなければなりませんでした。娘の養子縁組が(嬉しいサプライズとして)とても素早く決まり、フルタイムで母となるために、仕事を離れることを決心しました。 

エクササイズを続ける中で、パートタイムのトレーナーになっても娘(その後、2人の息子たち)との時間が取れることに気付いたのです。フィットネスという新しいキャリアを築いていくことに熱中するまで、時間はかかりませんでした。そして、企業に戻って仕事をするという選択肢を取ることは2度とないと思ったのです。

3.Americal Concil on Exerise (ACE)の資格とは、どんな資格なのでしょうか?どんなプログラムを教えられる資格なのでしょうか。

これはグループフィットネスのインストラクターとパーソナルトレーナー、両方の資格です。国内標準化されたテストで、ほとんどのフィットネス施設にてクライアントと働く場合、資格が必要とされます。 

私は1982年に資格を取り、様々なグループクラス­(ステップ、スピニング、ボディポンプ、サイド・キックボクシング)を教えました。またパーソナルトレーナーとして、個人クライアントにも、フィットネスゴール(目標)に合わせて教えていました。

その後、オハイオ州のコロンバスに引っ越し、ピラティススタジオをオープンし、ピラティスのトレーニングに集中しつつ、TRXストレングスクラスも教えています。

TRXトレーニングとは、サスペンション(吊り下げる)トレーニング法です。ロープを使い、自分の体重を利用することで強さを鍛えるトレーニングで、日常生活における体の機能を高める効果もあることから、ファンクショナル(実用的)トレーニングの一種とも言えます。

4.21年間、ダラスでフィットネスを教えていたそうですが、フランキーさんにとって、テキサスはどんな場所ですか? どういうところが好きでしたか?

ダラスはテキサス州にあり、穏やかな冬ととても暑い夏で知られる大都市です。テキサス州というとカウボーイで知られていますが、ダラスはとても国際的な都市です。

人々は身体的にとても活動的で、また見た目もベストコンディションであることを好みます! 夫のトムと私は、ダラスで3人の子供を育てました。同じ関心(キリスト教のコミュニティ)を持つ多くの友達に出会い、週末は友達や家族とプールなどで過ごしました。私たちの裏庭は“キャンプ クランシー”と呼ばれていたほどです!



私が一番ダラスで恋しいと思っているのは、ブルーボンネットの景色と、カウボーイブーツ!

5.ポールスターと、パワーピラティスのそれぞれのよさと特徴はどんなところだと思いますか?

パワーピラティスは古典的です。古典的なピラティスはジョセフ・ピラティスの教えにできるだけ近いものになるように試みています。

ポールスターはより現代的で、現代的なピラティスは全て古典的なピラティスに追随して生まれたものです。 私の見解として、パワーピラティスは古典的なティチャートレーニングにおいては最高のものを提供していると思います。そして、リハビリテーションピラティスにおいてはポールスターがとても優れていると思います。



私は90年代後半、グループリフォーマークラスを教える資格を取るために、ポールスターを始めました。総合的なピラティスの資格はパワーピラティスで取得しました。なぜならジョセフ・ピラティスの教えを全面的に享受したかったからです。 私はパワーピラティスのティチャートレーナーであること、そして新しいインストラクターたちの指導者でいることを誇りに思っています。

6.コロンバス(オハイオ州)は、テキサスとがらっと違った場所ですよね。フランキーさんにとって、どんな場所になりましたか?

コロンバスは、テキサスとは全く違います。特に天候において、ここでは四季を楽しむことができます。テキサスは平たんな地形ですが、コロンバスの風景はとても緑豊かです。また私はこの近くで育ったので、コロンバスに戻ったことは私にとって、故郷に帰ってきたようなものです。




7.コロンバスの地元の高校でピラティスを教えているそうですが、クラスの様子や、高校生の反応をお聞かせください。

高校の体育の授業の一環として、ピラティスマットを教えていますが、生徒たちには大好評です! ピラティスのマットワークは、体のコーディネーション、ストレッチ、スタミナ、安定性、強化に役立つので、生徒たちのために、定期的に授業として取り入れていくべきだと考えています。

私のスタジオにはピラティストレーニングのために、多くの高校生ダンサー達が通ってきています。そして、彼らがダンススタジオでマットを教えられるよう、若いトレーナー達を育てています。

8.アスリート、ゴルファー、10代、高齢者、母親達、首や腰に問題がある人たちなどにピラティスを教える機会があるそうですが、それぞれにとってのピラティスのメリットを教えてください。特に、シニア向けへのメリットを教えてください。

とても素晴らしいことは、どのターゲットグループに対してもピラティスの利点・効果は同じということです。

アスリート(特にシルクドソレイユのパフォーマー達)は彼らの専門分野においてトレーニングしすぎる傾向がありますが、ピラティスはトレーニングのバランスを取るのに役立ちます。ゴルファーにおいてはスウィングの動きの幅が増し、母親達はコアの強化、姿勢改善、首や肩を痛めているクライアントは筋肉のアライメントを改善することによって、痛みがなくすことができるでしょう。



シニアの方々には、特に動くことによって様々な症状を改善することができるので、とても効果的です。ピラティスは腰、脊椎、関節をサポートする筋肉の強化・安定を構築することに焦点をあて、それが結果として、より良いバランス、姿勢、柔軟性、関節の整合性につながっていくのです。

ピラティスは安全なエクササイズです。今まで、運動したことのないシニアの方々にも強度は少なく、リクライニングのポジションで行うこともできます。私のクライアントの半分は60歳以上で、彼らはピラティスが若さの源になっていると信じています!



9.コロンバスには、クラフトビールのタップが部屋にあるホテルが今年オープンすると聞いています。フランキーさんはビールはお好きですか? 私(質問者)はとても興味があり、ここのホテルの様子が知りたいです。(笑) オフのときは何をして過ごすのが好きですか?

Brew Dog’s Hotelは2019年にオープン予定で、アメリカで初めてのロケーションがコロンバスということで、地元も盛り上がっています。私はどちらかというとビールよりワイン派ですが、夫のトムはきっと大好きでしょう。

オフの時間で好きなことは、 体を動かすこと(まだエアロビクラスが大好きです)、読書、家族とゲームやパラシュートをしたり!一緒に時間を過ごすことです。

また、旅行をすることのほかに、料理、家で夫のトムと愛犬“ベビー”とリラックスする時間を持つことです。

10.日本にいらしたことはありますか? 今回の来日で楽しみにしていることはありますか?

2016年4月に日本を訪れました。私の息子ジャックが名古屋にある中部大学の大学院に入学した時、式に参列するために来ました。私と夫、トム、息子、ジャックは東京、名古屋、京都、大阪を訪ねました。息子は修士課程を最近終え、大阪にあるNIPROという会社で働いています。彼は日本語が流暢で、日本文化をとても受け入れています。


私は、彼の目を通して日本を見、訪れることができて楽しかったです。そして、桜が咲く時期に日本を訪れることができたのは、とても幸運なことでした。訪れた場所はどこも美しく、日本の人たちはいつでも歓迎してくれました。 

今回、日本で教えること、そして日本文化についてさらに学べることを楽しみにしています。

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フランキー・クランシー先生が2018年8月に来日します。

パワーピラティス・ビギナーマットピラティス・ティーチャートレーニングコース(レベル1)
・8月10日(金)~12(日) スタジオ・ヨギーTOKYO
・8月20日(月)~22(水) スタジオ・ヨギー名古屋グローバルゲート

パワーピラティス・インターミディエイトマットピラティス・ティーチャートレーニングコース(レベル2)
・8月14日(火)~16(木) スタジオ・ヨギーTOKYO
・8月24日(金)~26(日) スタジオ・ヨギー名古屋グローバルゲート

ワークショップ
・8月17日(金) スタジオ・ヨギーTOKYO
・8月19日(日)  スタジオ・ヨギー名古屋グローバルゲート

<<来日情報ページでも随時お知らせいたします。

フランキー・クランシー Frankie Clancy

PMA CPT資格(Pilates Method Alliance認定)ピラティストレーナー。パワーピラテスティーチャーコース講師。
Americal Concil on Exerise (ACE)資格をとり、21年間に渡りダラス(テキサス)でグループエクササイズを教える。ステップからカーディオキックボクシングまで様々なクラスを指導し、フィットネスクラブでクラスの開発に携わる。腰を痛め、ワークアウトのバランスを取ろうと出会ったのが、ピラティスだった。2006年にコロンバス(オハイオ州)に引っ越し、Body Pure Pilatesというスタジオで指導をしている。地元高校のコンディションクラスでマットワークを初めて紹介した際、”ピラティスは女子だけのものではないんだ!”と初回のクラスで感嘆され、ピラティスへの認識を変えた。ピラティスの素晴らしさを、アスリート、ゴルファー、10代、高齢者、母親達、首や腰に問題がある人たちなど、身体への認識、強さ、柔軟性を追求する様々な人々と分かち合えることは幸運なことだと思っている。