産後うつから逃れるように、エアロビクスのオーディションに挑んでいた
私がエアロビクスのインストラクターとしてデビューしたのは、スタジオ・ヨギーのオープンと同じ年です。会社員時代はほぼ毎日エアロビクスでした。会社終わりにジムに直行し、何本ものクラスに出て、閉館時間までジムで過ごしていました。
そんなジム通いが趣味のようだった私が、出産後、育児に専念すると、気分が滅入り、脱力感にさいなまれるうつ状態に陥りました。
医師から運動の再開を勧められましたが、託児の問題があり、それで育児をしながらでも通える昼間のエアロビクス養成コースに入ることにしました。また運動出来ることがありがたくて、子供の迎えの時間まで夢中でした。卒業後オーディションを受けることにしたのは、産後に体験したうつの状態に戻るのが怖かったから、というのがありました。
大手フィットネスクラブのオーディションには落ちてばかりいました。面接ではよく、「ヨガは出来ませんか。」と聞かれていました。「エアロよりヨガの方が向いていると思いますよ。」とも言われました。そのときに、ヨガの需要の大きさが分かりましたし、ヨガの将来性も感じましたが、エアロビクスで及第点を取るまでは…と、エアロビクスでエントリーし続けました。きっと悔しかったのだと思います。
初めてスタジオ・ヨギーを訪ねたのは、そんなオーディションの帰り道です。優しく親切なスタッフの方に迎えられて、明るく清潔なスタジオで受けた初めてのヨガ。白木の匂いに包まれながら、身体と心が充填されてゆく、それまでのどのエクササイズでも覚えのない感覚に驚きました。よし、私のヨガはスタジオ・ヨギーで、と思ったのです。
ヨギー・インスティテュート メインスクールの開校と、ヤスシ先生の10年ぶりに担当するBTCに惹かれて
いろいろな個性の先生がいらっしゃるのに、スタジオ・ヨギーではどのクラスにも共通している哲学があるのです。先生の指導力と教養の高さにとても高次なものを感じました。自分もあやかりたいなぁ、そしてスタジオ・ヨギーにふさわしいメンバーでありたいと、いつもヨギーのヨガのファンでした。これからもずっと。ヨガを学ぶならスタジオ・ヨギーと決めていました。
5年前に、病気になるまで、私は自分の健康は自分ひとりのものだと思っていました。無理も努力のうちだと身体を過信していました。自分の身体に対する配慮は、それ以上に周囲への思いやりであることを気づかされました。お客様、施設の皆様、インストラクターの先生方、友人、家族、まわりの社会によって支えられていることに改めて深く感謝しています。療養期間は身体のことを学び直す時間になりました。
そんな時、ヨギー・インスティテュート メインスクールが開校し、ヤスシ先生が数年ぶりにベーシック・トレーニングコース(BTC)の教鞭を取られると聞き、これが機会かもしれないと思い申し込みを決めました。スタジオ・ヨギーとの出会いから10年が経っていました。
BTCでクラスメイトと離れがたくなってしまい、そのままTTCを受講することに
BTCでは、ヨガを取り巻くさまざまな知識と体験により、生き方としてのヨガを学びました。
始めBTCを修了後は、ゆっくり単位を履修していくつもりでしたが、クラスメイトと離れがたくなってしまい、そのままティーチャー・トレーニングコース(TTC)へ進学しました。
TTCでは深めることと、それを伝えることを徹底したグループワークで実践しました。他の人の感じ方や考え方をシェアすることで、自分では気づけない見識に目が覚めました。
ヨギーのヨガを伝える人になろう、もう一度指導者になり直そうと思いました。
関節の疾患に困ったときには、ケイコ先生が中井真吾先生に相談くださり、親身なアドバイスをいただきました。私たちがあらゆる角度からサポートされていることに感謝します。
ヨギー・インスティテュートは教育水準が高いことと同じくらい、スタッフの方の人柄が本当に素敵です。卒業後もずっといろいろな相談にのっていただいています。
瞑想の指導を通じて、お客様の気づきや発見に立ち会えることは本当に幸せです。
200時間修了後、小さなフィットネスクラブでヨガのレギュラークラスを担当させていただいています。このクラブでは流派によらず、どのクラスもヨガと表記。内容はそれぞれのインストラクターに任されていて、私はin-body basic、in-flow basicの内容のクラスを行っています。
そして昨夏より瞑想(in-meditation basic)を加えていただきました。始めてみて改めて瞑想に対するお客様の関心が高いことに驚きました。
「やってみたかった」「とてもリラックスした」と好んで参加いただいています。願望が叶ったというお声もよく聞かれます。お客様の気づきや発見に立ち会えることは本当に幸せですね。
自分ひとりでは作れない時間と空間をいつも提供頂き、感謝です。」という40代の女性や、「私にとって、このヨガの時間は、幸せだった子供の頃の無邪気な心にかえれる、不思議な時間です。また、自分のためだけに使ってよい嬉しい時間になっています。体も心も少しずつ柔軟になってというのも実感していて、ミズ先生を通してヨガに出会えて、今最高に幸せな時間を過ごさせて頂いています。」という50代の女性もいらして、このようにお客様からたくさんの恩恵をいただいています。
クラスでケイコ先生のように美しくマントラを響かせられるように発声を練習しています。
インドアサイクリングの指導やパーソナルトレーニングにも生きるヨガ
ヨガのほかにも、スピニング®(インドアサイクリング)、コンディショニングのクラスとパーソナルトレーニングを担当しています。
心拍数をモニター出来るインドアサイクリングは、SNS時代となって再認識されてきています。ただ励ますだけではない肯定的な表現のヒントをヨガの経典に見つけることがあります。
パーソナルトレーニングでは、お一人おひとりとの関わりが深くなりますが、呼吸法によってお客様の緊張をゆるめて差し上げるように努めています。
ヨガを学んでから、身体の感度が変わった。
もともとフィジカルトレーニングが好きでしたので、ヨガを始めたばかりの頃はシンプルに爽快感を求めていたように思います。続けると身体の感度が変わってきました。
最初に起きたのが音に関する感覚の変化です。いつでも音楽が聴きたくて移動中もヘッドフォンが手放せませんでしたが、聴かない時間が出来てきました。ヘッドフォンを外して歩く街の息づかいに新鮮さを感じたものです。聴く音楽のジャンルも広がり、どのジャンルでも楽しめるようになりました。
初めて足を踏み入れたクラシック売場でフィットネスクラブのお客様に声をかけられたなんてことがありました。クラブ内でお会いすることに増して嬉しかったですね。そしてそれを機会に街でよく声をかけられるように。
そんな感覚の不思議から内面のヨガへの興味が向きました。無音で座ることなど以前の私ならは出来なかったでしょう。「体を経験することと内面的な開放は表裏一体です」とヤスシ先生がおっしゃられたことがようやく理解できるようになってきたところです。
どこであっても変わらぬクオリティでyoggy yoga が伝えられますように
現在不定期ですが、リストラティブ・ヨガのクラスを開催しています。いまはフィットネスクラブでもお客様の年齢が上がって、リラックスやコンディション(調整)色の高いヨガの要望がありますので、リストラティブ・ヨガやチェア・ヨガの紹介の機会を増やしていきたいです。そしてこの先のYIC300、YIC500を目指していきます。
スタジオ・ヨギーとの出会いからずいぶんと遅れてきたインストラクターですが、ヨギーのすべてに支えられてきました。ヨギーのすばらしさをたくさんの方にお伝えしたいです。
老齢になった母の介護、子どもの進学と、この先も住み替え、暮らし替えをすることもあるでしょう。そこがどこであっても変わらぬクオリティでyoggy yoga が伝えられますように、今日のここを大切に届けてゆきたいと思います。
水澤 眞理子さんプロフィール ヨガインストラクター。インストラクター名は、ミズ。米国ストレングス&プロフェッショナル協会認定パーソナルトレーナー、日本ストレッチング協会会員、スピニング認定指導者。 産後うつ、不調により、2004年よりボディワークの学びを始める。アスリートから一般女性まで、機能向上とメンテナンスをサポートしています。 ヨガは健やかに生きるための智慧の泉だと思います。運動の種類に関わらず、ヨガを携えていると味わいもひとしおです。参加いただいたお客様の心身が、少しでも調和へ向かい、明るくなっていただけるように、日常生活に役立つ情報もお伝えしています。
ヨガ歴・学び歴
2005年 スタジオ・ヨギー新宿(現新宿EASTスタジオ)に通い始める。
2008年 旧プレ・アヌサラトレーニングコース 修了
リストラティブ・ヨガ 修了
2010年 スピニング®認定インストラクター
2013年 NSPA米国ストレングス&プロフェッショナル協会認定パーソナルトレーナー
2014年 チェア・ヨガ・トレーニングコース 修了
ベーシック・トレーニングコース 修了
アーサナ・インテンシヴコース 修了
ヨガ・アナトミー・インテンシブコース 修了
ティーチャー・トレーニングコース 修了
2015年 メディテーション・インテンシブコース 修了
ヨギー・ヨガ認定インストラクター
ティーチャー・インテンシブコース 修了