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私はこれを学んできました【ピラティスインストラクター エミさん】

vol.5

現在、インストラクターとして活躍する“先輩”のみなさんは、これまでどんな勉強をしてきたのでしょう。専門分野や強みの見つけ方、学びの深め方、これからのあなたの学びの道しるべとなりますように、【学びの履歴書】をご紹介します。

思い切って飛び込んだNY。不安のなか見つけたダンサーの道

ピラティスのインストラクターになる前は、NYで語学学校、ダンス学校に通いながら他のダンススタジオにも通い、ひたすら踊っていました。また、ダンサーとしてステージで踊ったりもしていました。  もともと昔から動くことが好きで、高校時代にダンスに興味をもち、大学から趣味程度に始めたらいつの間にかまじめに踊っていました。2002年、ダンスをしているならNYだろう!と一度旅行に3週間ほど行った際に「また行きたい!」と思い、そこから半年後には渡米をしていました。  渡米をわくわくしていたのに、日本を離れる日、空港に向かう車の中で「私、本当にNY行くの? 何で行くの? 大胆な事したかも?」と一気に不安にかられたのを今でも忘れません。 海外生活は甘くありませんでした。特にNYは自分をもっていないと生きていけない街、挑戦する街なので、毎日が勉強で必死でした。新しい発見もあり刺激的でしたが、潰されそうになり、一度ダンスから離れたときがありました。何をしたいかわからなくなっていたそのときに友人に連れられアフリカンダンスを専門にしているダンススタジオに連れて行かれたのがきっかけで、そこの何とも言えないスピリチュアルな感じに一気に魅了されアフリカンダンスを始めました。 当時、そのダンススタジオには日本人が全くいなかったので英語を学ぶにも最適な場所でした。 Work Studyといって、そのスタジオで働くかわりにフリーでレッスンが受けれる制度があり、その制度を利用して働かせてもらいながら毎日踊っていました。 そこで、たまたまオーディション情報があったので、なんとなくという軽い気持ちでしたが、オーディションを受けたところ受かり、そこからダンサーとしてステージで踊るようになりました。

ダンス学校のプログラムにあったのが、ピラティスをはじめたきっかけ

アフリカンダンスをメインに、他に2005年からPeri Dance Center(ダンス学校)に通い始めました。それまではピラティスという言葉も知りませんでした。 バレエ、ジャズ、モダン、コンテンポラリー、タップ、ヒップホップ、ハウスダンス、ヨガ、ジャイロキネシスなど沢山のプログラムの中にピラティスがあったので、「ピラティスも受けてみよう」というのが始めたきっかけです。 週3〜4でピラティスも受けているうちに、踊りがラクになりはじめました。 これはただ単なるエクササイズではないのでは、思い、先生に質問をしたり、ピラティスや解剖学の本を読み始めました。身体の仕組みをさらに知りたいと思い、ピラティス専門のスタジオにも通いトレーニングを開始しました。  今思うと、毎日ダンスとピラティス三昧でした。

言われたままに動くだけでは成長できない

はじめに受けたトレーニングはピラティスですが、趣味程度からまじめに練習などをしたのはハウスダンスです。 もっとも影響を受けたトレーニングは、今は亡きピラティスの第1世代の弟子(エルダーズ)の一人 ロン・フレッチャーのシカゴでのトレーニングです。彼はとても厳しく服装からラインの見えるものが絶対で、話を聞いている立つ姿勢も少しでもだらけると怒られました。 立っているだけなのに筋肉痛になりました。(笑) トレーニングではロンのオリジナルワークの独特の呼吸を使ったパーカッシブ・ブレス™、三つ編みしたタオルを使ったフレッチャー・タオルワーク®を学びました。 立位で行うエクササイズで背中や上肢、体側にも意識を向けながらタオルの抵抗を感じながら動きを出したり、身体の前後、左右、また上下のバランスを取りながら動いていくので普段と違ったパワーも感じ取れることができ、新しい発見ばかりでした。 トレーニングの最後には音楽を流し、突然自分を表現して動きなさい、と言われました。 誰一人として恥じることもなくみなが自分で自分自身を表現していました。“言われたままに動くだけでは成長できない、学んだらあとは自分自身で動く”ということを教えてもらいました。これってまさしくピラティスの伝えたかったことの一つですね。

女性の価値観、美しさ、強さ、幸せを感じる瞬間

ヨギー・インスティテュートで受けたトレーニングで印象的だったのは、マタニティ、リカバリーピラティスのトレーニングです。 マタニティでは身体が毎日変化をし続ける中で、いかに母にもお腹の赤ちゃんにも負担をかけないように、出産へ向けたケア&サポートをしていくかが課題となり追求していく分野なので、指導をしていく幅が広がりとても面白かったです。 またお母さんの心身のリラックスも必要ですので指導の仕方も大きく変わりました。マタニティは期間があるので、卒業する方たちを毎回見送るのも寂しさもありましたが、前向きな姿をみて自信と強さを感じる事ができました。 リカバリーでは、産前と違ってママたちの表情が一転して母になっていました。 赤ちゃんを連れて一緒にクラスを行うのですが、もちろんメインはママたちです。出産で受けた身体のダメージは事故後と同じようなものなので、しっかり身体を休ませた上で時間をかけて修復していく必要があります。 特に産後は早く痩せたい!引き締めたい!というママたちが多く骨盤底筋のトレーニングをせずに運動をする人が多いのです。良い状態に回復するには時間をかけてしっかりと内側からケアをする必要があります。 私もリカバリーのトレーニングを受けるまで最適な方法を知らずにいましたので、今後も多くの人に伝えていけると私もママもベイビーもHAPPYになると思います。 またリカバリーは毎回赤ちゃんも一緒に参加するので、お母さんの表情、赤ちゃんの表情や成長を見てとても幸せを感じ、癒しにもつながります。出産を経た産後の女性から、女性の価値観、美しさ、強さ、幸せをしみじみ感じとることができました。

マシーンピラティスが主流のNYで、幅広い職業、年齢層の人にピラティスを指導

NYにはいたるところにピラティススタジオがあります。そしてマットピラティスよりもマシーンピラティスが主流です。グループレッスンよりもプライベートでピラティスをする方が多く、モデルやスポーツ選手、ダンサー、その他にも美意識の高い年齢性別問わず20代から80代くらいまでの方達がいらっしゃいました。マタニティの方や、夫婦、カップルでセミプライベートを受ける方もいらっしゃいました。 週に1〜3回位でプライベートに来られており、英語が達者でない私の言葉もちゃんと聞いてくださり 自信を持って指導ができました。 自重をつかったマットピラティスに比べ、マシーンピラティスには負荷を調整出来るスプリングが付いているので「身体のここを鍛えたい」とポイントに意識が向けることができたり、負荷が調整できるので、アスリート以外にも高齢者や筋力が弱い人、怪我をしている人でも幅広く取り入れることができます。 マットで動いていた時よりもマシーンをし始めてから今までの自分の動きがいかにパワーを使いすぎていたか、どれほど脊柱が固かったのかに気づくことができました。。 マシーンもいろんな種類があり、ジャンプボードを使ったリフォーマーエクササイズは、仰向けでジャンプをしながらエクササイズをするので少しきついですが、ジャンプが必要なスポーツ競技やバレエダンサー、また足関節、膝関節、股関節などを動かすようなスポーツにもトレーニングとして有効でした。 幅広く沢山の方を見させてもらうことで、自分の指導の幅も広がりました。

どう日常に活かすかまでも学べるのが、ピラティス・ベーシックトレーニングコース

ヨギーで行っているピラティスベーシックトレーニングはぜひ一度は受けてほしいですね。 インストラクターになる・ならない関係なしに、“何かを学ぶ”、“練習”、“行う”にでも何でも基礎をしっかりと学んで身につけて効率よく効果や、達成感をぜひ感じてほしいです。 例えば、いきなり今までお料理もしたことがない人が、一流シェフのような料理は作れないはずです。まずは包丁の持ち方、切り方、基本を知ってから、どんどん味付けをしたり、慣れてきたらアレンジをしてみたり、と必ず基本があって、何度も練習や苦戦をし、それを上手に活かしていくことが自分の喜びであったりしますよね。 もちろん、レギュラークラスの中で動きの動作は学びますが、トレーニングでは動きの仕組みや目的なども学び、それをどう日常に活かすかまでも学ぶことができます。 グループクラスではやはりクラスの流れなどもありますので、一人一人の動きを出来るまで待つことが出来なかったり、もう少しこうしたらこの人もっと良いのにな〜と思うことがありとても歯がゆいです。 トレーニングコースでは、そういった問題、不安も解消できますし、自分自身で可能性を広げていくことが出来ます。 もちろん全力でサポートもしますし、むしろ私も皆さんからいつも学びを得ていますので、私自身の成長にもなっているのでとても感謝しています。

心と体の調和をめざし、いかに幸せで健康的に生きていけるかを伝えていきたい

今後ピラティスも勿論のことですが、ビューティ・ペルヴィスも深く追求し続けていきたいです。b-i stylistになり、本質的な美しさを目指す奥深さや、秘められた可能性や本来あるべき姿を自分自身で引き出していけることにとても驚きました。 自分にも全然足りないところですが、私は感覚力が優れている人ほど変化があったり、成長しているなと感じます。 ビューティ・ペルヴィスでは感度を上げることもできますし、体が感じたことをそのまま脳に素直に伝えていける力も身に付きます。 これからの学びにワクワクしています。 日々変化し続ける毎日に、ピラティスを通しても、ビューティ・ペルヴィスを通しても、心と体の調和をめざし、いかに幸せで健康的に生きていけるかを伝えていけたらと思います。
名前
エミ
職業
ピラティスインストラクター
学びの履歴書
2006年 Kane Core Integration Pilates Mat 1
2007年 Classical Pilates Mat (Basic, Intermediate, Advance) Classical Pilates All Apparatus (リフォーマー、キャデラック、チェア、バレル、スパインコレクター) 36 months of training in Modern and Ballet at Peridance Center
2010年 ヨギー・インスティテュート Body Control Pilates マタニティピラティス・インストラクター養成コース産前 認定
2012年 ブーティバー認定
2013年 ヨギー・インスティテュート Body Control Pilates マタニティピラティス・インストラクター養成コース産後 認定 ウェーブ・ストレッチ ベーシックⅠ&Ⅱ認定
2014年 ウェーブ・リング・コア 認定
2017年 ビューティ・ペルヴィス 認定
姿勢が良くなる、引き締まる、体に良いからと続けていたピラティスですが、深く学ぶことで単なるエクササイズではないと感じました。ピラティスは考えるエクササイズとも言われています。意識をすることで体は変わります。根気強く諦めないで続けていくと、必ず効果が実感できます。クラス後にはスッキリした!と感じられる楽しいレッスンを提供したいと思っています。