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「寺ヨガ」や医療機関で活躍。地域コミュニティやQOLのために人に寄り添う【卒業生活躍リポート vol.8 清水麻紀子さん 2/2】


「寺ヨガ」は、地域のコミュニティの場であり、私の学びでもある
 

お寺さんが「地域のみなさんの集う場所にしたい。特に子育て世代のママさんたちの憩いの場として機能させていきたい」との希望をお持ちで、大変協力的でいてくださいます。媒体への情報掲載なども積極的におこなってくださっており、私もデザイナーとして、目に付きやすいオリジナルのポスターの作成をさせていただき、ともに寺ヨガを盛り上げようと日々工夫を重ねています。

先日はTV取材が入り、それがきっかけで来てくださった方もいらっしゃいました。 現在私が担当させていだだいているのは平日の昼間ということもあり、主にご近所にお住いの方が参加してくださっています。テーマは、「楽しんで動くこと」。皆さんヨガやスポーツの経験が少ない方でしたが、最初はぎこちなかった動きが、だんだんとスムーズになっていったり、集中力が高まっていく様子が感じられます。



また、「普段から歩くようになった」「足取りが軽くなった」という声もあり、ご自身でも様々な変化を感じていらっしゃるようです。毎日が快適になっていくお手伝いができているようで、嬉しい気持ちでいっぱいです。そして、回を重ねるごとに変化する皆さんを拝見すると「継続は力なり」という言葉が思いだされ、こちらもより一層、鍛錬していこうと身が引きしまります。

 時には「このポーズはどうしたらできるようになるの?」や「呼吸法が難しいのだけれど…」さらには解剖学的な疑問やご質問をクラスの終わりにいただきます。これらにどう答えるか、どんなクラスをおこなえばその質問に答えることができるかを考えることが、私の学びにもなっています。

 今後は、地域のコミュニティの場としてより機能するよう、また、幅広い世代の方に参加していただけるように、お寺さんと協力しながら工夫と発信を重ねていきたいと思っています。

医療機関でのヨーガ療法指導は、「社会復帰」「QOL」のため


現在ヨーガ療法の指導は、精神疾患専門のクリニック、デイケア、老人ホームの3か所で行っています。 精神疾患専門のクリニックでは、休職中の方への復職支援プログラムの中で、周囲の評価や価値観といった、変化するものに心を振り回されないよう、物事の捉え方を変え、心身の健やかさを取り戻し、会社に復帰するためのお手伝いをしています。身体や呼吸に意識を向けてその気づきを得ることから始め、徐々に心の状態に意識を向けていきます。そこから自分の思い込みや思考のクセに気づくことによって、物事の捉え方の変容をうながします。

 そのようにして、ストレスを自分の糧として受けとめられる心を育む方法を、聖典の教えやご自身の身体を通し、ストレスマネージメントとして身につけていくクラスをおこなっています。
 

デイケアではADLやQOLの維持や向上が目的の多くを占めます。動きは体力や身体状況に応じて着座位でも立位でもできますので、無理なく続けることができます。平均年齢は80歳を超え、最高齢の方はもうすぐ100歳です。

「ここへきてよかった」と笑顔で帰っていただくのがこのデイケアのモットーです。 朝は元気がなかった方も、声を出しながら身体を動かすことで徐々に顔色がよくなり、声にもハリが出てくることがわかりますし、元気を回復されご自宅に戻られます。体力をつけるための心肺機能を強化する動きの中には、ややハードかな?と思うこともあるのですが、皆さん何年も継続していらっしゃる方が多いからか、こちらの想像以上に楽しんで取り組んでくださっています。

 また、中には認知症の症状が見られる方もいらっしゃるのですが、それを感じさせないくらい、皆さんお元気で意欲的に取り組んでいらっしゃいます。 老人ホームでは、車椅子の方もいらっしゃいます。ADLとQOLへの働きかけが大きいのはデイケアと同じですが、デイケアで参加されている方々への指導よりも、少し優しめで穏やかな内容にしています。

ヨガの智慧があることで、人生は豊かで喜びに満ちたものになる


 現在私はフリーのエディトリアル・デザイナーとしても仕事をしている、兼業インストラクターです。デザインの仕事は大切なカルマ・ヨーガの実践の場だと考えていますので、仕事の依頼が完全に無くなってしまわない限り、続けていくつもりです。なので、両立させるにはクラスを今以上に増やすことは難しく、まずは、今受け持っているクラスの内容を深めるように努めていきたいと思っています。
 

その上で、自分の経験からも、健康を損ねてしまった人が健康を回復し再び健康を損ねることがないように、そして、いま健康だと思っている人はその健康を損なわずにいられるように、ヨガの智慧をより多くの方に知っていただきたいと思っています。

特定の技法や流派にとらわれず、セラピーとしてのヨガのをお伝えしていきたいです。 具体的には、今後はがん患者さんにもヨガをお伝えする機会を持ちたいと考えています。自分の経験から、特に女性特有のがんは病気そのものへの恐れはもっともなのですが、それ以上にアイデンティティが揺さぶられ、傷つくことが多いのではないかと感じています。 ヨガは自分の本質に気づかせてくれ、病気と向き合う力を与えてくれるものなので、闘病中の方に、ヨガの智慧をお伝えすることで、肉体はもとより、心の健やかさを取り戻すためのお手伝いをしたいと思っています。

私がヨガの活動をするときの屋号は「Therapy studio ensemble」といいますが、“ensemble(アンサンブル)”には「調和」という意味があります。ヨガの智慧は、思いこみや偏った価値観から私を自由にしてくれました。そしてヨガの智慧があることで、人生は豊かで喜びに満ちたものになると、日々実感しています。自分自身の内側の調和がとれ、そして周囲の人との調和も感じられるようになったからです。

 今後も、多くの方が、ヨガを通して自分の心と身体の調和を育み、豊かな時間を重ねていくためのお手伝いをしていきたいと思っています。

インタビュー前編:「毎日のヨガニドラーで、サンカルパが引き寄せてくれたのは」

清水麻紀子さん プロフィール エディトリアル・デザイナー/ヨガインストラクター therapy studio ensemble(セラピー スタジオ アンサンブル)を主宰。ヨガの智慧をお伝えすることで、「今ここ」にある幸せを実感し、豊かな時を重ねていくためのお手伝いをしています。ワークショップスペース「ロハスムーン」でのウェイクアップヨガの他、医療機関でのヨーガ療法指導、お寺でのヨガクラス(ゆったり寺ヨガ@安楽寺)、ヨガインストラクターによるタイヨガ施術チーム「タイヨガ☆パラダイス」でのタイヨガ施術など。インストラクター名は、MAKIKO。


ヨガ歴

2007年 スタジオ・ヨギーに通い始める

2009年 ヨギー・インスティテュート プレ・アヌサラ集中コース修了

2010年 ヨギー・インスティテュート ベーシック・トレーニングコース修了 2010年 ヨギー・インスティテュート セラピューティック・トレーニングコース修了

2011年 ヨギー・インスティテュート アドバンス・トレーニングコース(現MIC)、セルフケア・トレーニングコース(現YAC)修了

2011年 Sarah Powersによる陰ヨガティーチャートレーニング修了

2012年 ヨギー・インスティテュート プラーナーヤーマ・インテンシヴコース修了 2015年 日本ヨーガ・ニケタン ヨーガ療法士養成講座修了

2015年 Jonas WestringによるThai Yoga Therapeutics Advanced course(Level 3)修了

2015年 ヨギー・インスティテュート ティーチャー・トレーニングコース修了 2015年 ヨギー・インスティテュート認定200インストラクター(YIC200)

2015年10月より(一社)日本ヨーガ療法学会認定ヨーガ療法士として、医療機関、高齢者施設などでヨーガ療法指導開始

2015年11月よりレンタルスペースにてウェイクアップヨガのクラスを開始

2016年1月よりヨギー・インスティテュートのお仕事紹介による医療機関での指導開始(ハートプロジェクト)

2016年10月 ゆったり寺ヨガでの指導開始 2017年5月 ヨギー・インスティテュート ヨガニドラー・トレーニングコース修了